• 2017.1.30

    扶養控除の重複を避けるためにすべきこと

    扶養控除の重複を避けるためにすべきこと

    扶養控除の重複はなぜ起こる?

    扶養控除の重複は、「自分は子供と生計を一にしているから」という理由で離婚によって別れた男女の両方が扶養控除の申告を行った場合に生じる現象です。こうした状況は、喧嘩別れに近いかたちで財産分与を含めたさまざまな話し合いが行われていない夫婦に生じる傾向が高いといわれています。また昨今は、非正規雇用で働く男性の収入も減少傾向にありますので、苦し紛れのダメ元で扶養控除の申請を行った結果として税務署から追徴税の納付書がくることもあるのです。

    離婚によって別に暮らすことになった子供は扶養控除の対象となるの?

    扶養控除に該当するためには、「納税者と生計を一にしていること」という絶対条件があります。
    この部分だけを確認すると、離婚によって離れて暮らすようになった子どもに対しては、「同じ家に住んでいない=生計を一にしていない」と感じられるかもしれません。
    しかし国税庁で考える「生計を一にする」の意味は、同居を要件とするものではないのです。
    このような形で養育費や学費、要寮費などを子どもに支払い続けている片親は、他の要件を満たすことさえできれば扶養控除の申請は可能となる実情があります。

    扶養控除の重複が発覚した場合はどちらが優先となる?

    扶養控除の重複が起こった時の判断は、所得税法施行令219条にもとづいて行われます。
    一般的には、先に扶養控除の申告を行った側が優先される仕組みです。
    これに対して元夫婦だった男女が同日に申告を行い、「どちらが先か厳密な判断ができない」といった場合は、所得の多い方に扶養控除を受ける権利が与えられるようです。

    扶養控除の重複を起こさないために

    重複の発覚によって双方が扶養控除を受けた場合は、どちらか一方に追徴税の支払いが命ぜられるトラブルが生まれます。
    扶養控除重複が発覚するタイミングは、税務署側のチェックに依存する部分となりますので、最悪の場合は離婚トラブルの全てが終わって双方が新生活を始めた後に、追徴税の話が湧き出てくることもあります。
    新しい暮らしに向けて家財道具などを購入してしまった場合、追徴税を支払う金銭的余裕がなくなる可能性も考えられますので、こういったトラブルが生じないように離婚協議をしっかりと行う必要があります。

ARCHIVE

ひとりで悩まずに、私たちにご相談ください。

タップで発信します

© 四ツ橋総合法律事務所 All Rights Reserved