• 2017.11.16

    熟年離婚の理由と原因とは?

    熟年離婚の理由と原因とは?

    日本国内で年々増え続ける熟年離婚には、非常にさまざまな原因があります。

    また一般的に熟年離婚には、20年以上連れ添った夫婦という条件もありますので、長く一緒に暮らしていたからこそ生じる問題や認識のズレも多く存在すると言えるでしょう。

    今回は、熟年離婚に関心を持つ皆さんと一緒に、原因や理由、その後の暮らしを良いものにするための対策などを詳しく確認していきます。

    熟年離婚の理由・原因とは?

    熟年離婚の理由や原因には、下記のようなケースが非常に多く見受けられます。

    《パートナーが家にいることによるストレス》

    定年退職をした夫に特別な趣味がなく、毎日ダラダラと家に居続けるようになると、その状況に耐えられない妻が離婚を考えやすくなると言われています。

    特にこれまで会社員だった夫にワーカホリック的な傾向があった場合は、「亭主元気で留守がいい」といった形で、妻は自由に昼間の生活ができていたとも言えるのです。

    またこれまで夫が外で仕事をする、妻は自宅で家事や育児をするといった分業をしていた夫婦の場合、離職をした旦那さんが家でゴロゴロし続けていると、思うとおりに掃除などができないことによって奥さんのストレスが増大するようです。

    こうした形で生じたストレスは、今まで抑えていた妻の気持ちを爆発させ、夫婦喧嘩の増加や離婚といったトラブルを生み出しやすくなると言われています。

    《DV・モラルハラスメント》

    長きに渡って連れ添った夫婦の中にも、モラハラやDVを原因とする熟年離婚は多く存在します。

    例えば、身体的虐待のように命の危険に繋がる状況の場合は、結婚からわずか数ヶ月で逃げ出すように離婚を決意することもできます。

    これに対して被害者側も自分が虐待を受けていると気づきにくい経済的暴力や社会的隔離、心理的虐待などの場合は、逃げる・別れるといった決断ができないまま、20年以上の長きに渡ってパートナーと暮らし続けるケースも少なくない実態があるようです。

    《不倫・浮気》

    熟年離婚をする夫婦の間にも、不倫や浮気といった原因はやはり存在します。

    特に20年以上連れ添った夫婦の場合、これまで手のかかっていた子供が成人になると同時に、妻に浮気ができるだけの時間とお金の余裕が生まれる傾向があります。

    また熟年夫婦の中にはパートナーとの性生活がなくなっている方々も少なくない実態がありますので、こうした形で生まれたさまざまな虚しさを埋めるために不倫や浮気を求めてしまう理由は若い世代とはかなり異なる場合も多いと捉えた方が良いでしょう。

    配偶者以外の男女との不貞行為は、法定離婚原因となりますので、こうした事態が発覚した場合は、相手方に慰謝料請求をすることも可能です。

    《配偶者以外に好きな人ができてしまった》

    法定離婚原因に含まれる不倫や浮気で離婚をする際には、パートナー以外との性的関係という不貞行為をしている証拠が必要となります。

    これに対してこの先の人生がそう長くないと感じる人の多い中高年の場合は、「人生は一度きり」とか「自分の気持ちに嘘をつきたくない」という想いで今のパートナーと別れて新たな恋愛の道に突き進む人も多い実態があるようです。

    こうした形でパートナーに好きな人ができただけでプラトニックな関係の場合は、配偶者に気持ちの変化が生じていたとしても法定離婚原因による慰謝料請求などは難しくなる可能性が高いと言えるでしょう。

    《舅・姑と合わない》

    自由を求めてパートナーと別れる人の多い熟年離婚では、これまで我慢して付き合ってきた舅や姑と合わないといった理由を訴える方々も少なくない実態があります。

    今現在、子供がまだ幼く、義父母の協力がなければ共働きができないといった若い世代の場合は、舅や姑に何を言われても我慢し続けるしかありません。

    これに対して子供が成人をして、義父母のお世話にならなくても安定した環境で仕事や生活ができるようになった中高年の場合は、自分の気持ちを押さえつける嫁姑問題から開放されるために新たな人生に向けて離婚を選択することもあるようです。

    《介護によるストレス》

    自宅にいることによって義父母などの介護担当になる傾向の高い妻の場合は、介護によるストレスが爆発して離婚を選ぶことも多いと言われています。

    特に夫がワーカホリックなどで家庭を顧みない場合は、自分ひとりが介護と向き合わざるをえない実態に嫌気がさして、離婚を考えてしまう妻も少なくない実態があるのです。

    また被介護者が認知症などの場合は、介護をしている家族の心身が疲弊することもありますので、みんなで協力する姿勢がなければ離婚という最悪の結果に繋がる可能性も高いと言えるでしょう。

    こうした形で生じる離婚を防ぐためには、民間の介護サービスや行政などに相談をする姿勢も必要だと言えそうです。

    《パートナーの介護をしたいと思えない》

    介護に関する熟年離婚原因の中には、「夫の介護をしたくない」という将来的なことに対する不安や嫌悪感も大きく関係すると言われています。

    例えば、長きに渡ってモラハラ的な姿勢をやめない亭主関白な夫と暮らしていると、日頃の鬱憤が爆発して「こんな人の介護は絶対にしたくない!」という想いに達してしまうのです。

    また若い頃から仲の良くない夫婦の場合は、パートナーの病気や障害によってこれまでの関係や距離感が保てなくなったタイミングで、離婚という2文字が頭をよぎるケースも少なくない実態があるようです。

    《夫婦間のコミュニケーションがない》

    会話がほとんどなく、全く意思疎通のできていない夫婦の場合、自分の抱えたストレスや相手への苛立ちを長きに渡って溜め込むことにより、入籍から20年ぐらい経ったある日、突如としてさまざまな想いが爆発することが多いです。

    また相手への不満やストレスが生じた時に話をしない夫婦は、どんどん互いの気持ちや認識にズレが起こりやすくなるとも言われています。

    こうした形で「あまり話さない関係」から「話したくない関係」に移ってしまうと、自宅に居づらいと感じた側が仕事や趣味、不倫などに没頭し、家庭を顧みなくなることもあります。

    また中には、離婚を切り出されるまで妻が不満を抱えていた実態に気づかない夫も大変多く見受けられますので、毎日の暮らしの中で夫婦が自分の気持ちを素直に話す時間をもつ心掛けも熟年離婚を防ぐためには必要不可欠だと言えそうです。

    《浪費・ギャンブル・借金》

    コミュニケーションの少ない夫婦の間でそれぞれの抱えた孤独が深くなると、配偶者がパチンコやスロットなどのギャンブルや、買い物やアルコールといった依存対象に溺れていくこともあります。

    こうした依存症によって、家族の生活にも支障が出るほど浪費が激しくなったり、毎日のようにアルコールを飲みすぎて仕事に行かないといった状況が続く場合は、婚姻を継続し難い理由や悪意の遺棄といった法定離婚原因により熟年離婚も可能となる形です。

    また社会保障の部分で不安要素の多い今の時代は、老後のためにお金を貯める心掛けも必要となりますので、依存症ともとれるレベルでギャンブルや浪費が激しく、パートナーが将来のことが心配になるほどの借金を抱えている場合においても、熟年離婚の原因にはなり得ると言えそうです。

    《子供が成人した・自立した》

    子供の成人によって金銭面の不安が少なくなると、あっさり熟年離婚に至る夫婦も非常に多い実態があります。

    また子どもたちが大学などを卒業して社会人になれば、両親の離婚による精神面への悪影響も少ないだろうと考える夫婦も少なくない傾向があるようです。

    特に早々と関係が冷めていることを実感している夫婦の中には、子どもたちが大学を卒業したタイミングで別れようと考えている方々も存在しています。

    熟年離婚をして良かった?後悔している?


    こうした理由で熟年離婚をした後の気持ちは、下記のようにその前後の環境によっても大きく異なる実態があります。

    《熟年離婚をして良かった感じられるケース》

    婚姻生活中にさまざまな意味で自由がないと感じていた方々は、離婚によって多くの囚われから開放されることで、新たな人生に希望や夢を見出す傾向があります。

    また夫婦関係の悪化によるストレスで精神的にダメージを受けていた人たちは、熟年離婚によって一気に心身が健康になることもあるようです。

    《熟年離婚をして後悔するケース》

    熟年離婚によって生じる後悔の中には、お金や寂しさ、生活力の低さといった内容が挙げられます。

    例えば、「1日でも早く別れたい!」とか「余計な言い争いをして相手から暴力を振るわれたくない!」といった想いで逃げるように熟年離婚をした専業主婦の場合、その後の暮らしでお金に関する悩みを多く抱えやすい実態があります。

    これに対して今まで家のことを全て妻任せにしてきた夫の場合は、食事や洗濯、掃除といった基本的な家事ができないことにより、生活面での苦悩が生じる傾向があるようです。

    後悔のない熟年離婚をするためにできること

    こうした形で生じる熟年離婚後の後悔や新たな悩みを防ぐためには、パートナーと別れる前に下記のような準備をしておく必要があります。

    《お金》

    熟年離婚をする場合、高齢者になった自分がひとりで暮らしていけるだけのお金が必要になることを忘れないようにしてください。

    熟年離婚によって生じるお金の問題は、財産分与や慰謝料、養育費の請求といったことをしっかり行うことにより、解消できる部分が大きいと言われています。

    また夫の退職金についても、大半のケースで妻にももらう権利があると考えられますので、相手方から譲らないなどと言われている場合は、早めに弁護士に相談するのが理想と言えるでしょう。

    《友人知人との交流》

    離婚後の生活を充実したものにするためには、人間関係も非常に大事な要素となります。

    特に50代後半を過ぎて熟年離婚をすると、子供が巣立ってしまった寂しさや、健康面での不安を抱えやすくなります。

    しかし、こうした時に相談できる友達や人間関係を築いている人は、精神面の不安をカバーしやすくなりますので、離婚によってガラッと変わる新生活に向けて人間関係を充実させておくのも大事な心掛けだと言えそうです。

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