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離婚と子ども
2017.10.22
離婚時に知っておきたい!養育費の相場!可能な限り多くの養育費をもらう方法 まとめ
法律事務所の相談の中には、離婚によって発生する養育費に関する内容も非常に多く見受けられます。
特に離婚によってひとり親家庭になる側にとって、子育てに欠かせない養育費は1円でも多くもらいたいと感じる位置づけとなります。
またパートナーとの交渉や話し合いによって養育費の支払いが決まっても、「いつまで払ってもらえるのだろうか?」や「途中で支払いが止まったらどうしよう?」といった不安により、シングルマザーとしての暮らしに不安を感じる方々も少なくない実態があるようです。
今回は、離婚トラブルにも繋がりやすい養育費について、できるだけ多くもらう方法と基本的な話をしていきます。
養育費とは?
未成熟子が社会的に自立をするまでに必要なお金の総称を、養育費と呼びます。
法的な養育費の根拠の中には、民法760条の婚姻費用分担、民法752条の夫婦間の扶助義務、民法766条第1項の子の監護費用の3つがあります。
こうした法的根拠のある養育費は、離婚をしていない円満な家庭においても子供が自立するまでの間は、父と母という双方の協力によって支払われていると考えられるのです。
また当ページのように自立していない子供を育てる夫婦が離婚した場合は、養育をしない側の親が支払うのが、一般的な考え方となります。
どんな費用が養育費に含まれるのでしょうか?
養育費の範囲は、子供が自立をするまでにかかる大半の費用となります。
例えば、子供が健康かつ衛生的な暮らしをするために必要な衣食住の費用も、養育費に含まれます。
また、予防接種を受けさせたり、風邪をひいた時に通院させる医療費についても、十分に養育費の中に入ると考えられるのです。
こうした一般的な基準により別れる夫婦の間で決まる養育費があれば、子供が自立に向けて成長をする過程で、お金による問題が生じにくいと言えそうです。
養育費の請求はどのような時にできますか?
養育費の請求は、基本的には20歳の子供がいる夫婦が離婚する際に行えます。
子供を育てるために請求する慰謝料は、親権を持つ側が離婚原因となる不倫や浮気をした場合についても、問題もなく相手方に支払ってもらうことができます。
しかし日本国内では、実際に離婚した夫婦の中で毎月きちんと養育費が支払われているのは、10~20%前後というデータもありますので、離婚の話し合いをする際には注意をしてください。
養育費における教育費の考え方
相手方に養育費の請求をする時、多くの人が頭を悩ませるのが教育費に関する部分です。
例えば、婚姻関係の中で家庭の生活水準がある程度決まっている衣食住の費用については、「今後もこのぐらいかかるだろう」という予測から相手に請求しやすい位置づけとなります。
これに対して子供のクラブ活動や教材、学習塾などに関係する教育費の場合、親によっては「そこまでの金額は必要ないだろう」といった判断により養育費全般が下がってしまうこともあるのです。
離婚をしなかった場合と同等レベル
まず養育費の金額を考える上で、離婚をしなかった時と同等という条件は必要不可欠となります。
例えば、離婚によってシングルマザーになってしまったから、子供の大学進学を諦めるといった話は、養育費の計算を行う上で基本的にNGとなるのです。
またこうした話を呑んでしまえば、養育費はいくらでも下げられてしまうため、相手の主張に流されない心構えも交渉時には必要だと言えるでしょう。
支払う側の学歴水準
養育費の中に含まれる教育費を考える時、そのお金を支払う親の学歴をポイントにするのもおすすめです。
例えば、これから離婚をする両親が2人とも大卒の学歴を持っている場合は、子供についても当然同じレベルの目標を目指せるだけのお金が必要だと捉えてください。
また大学に進学するためには当然、学習塾などの利用も検討する必要がありますので、養育費の交渉をする際には単なる金額だけを主張するのではなく、学習塾や通信教材といった何を活用するのかも具体的に話をした方が良いと言えそうです。
養育費の計算方法と相場
家庭裁判所で行う調停や裁判で養育費や婚姻費用を決める際には、算定表を使って計算をするのが一般的です。
養育費算定表と呼ばれるこの資料は、家庭裁判所のホームページにも掲載されています。
参考資料として広く活用されている養育費算定表を使えば、計算がスムーズになるだけでなく、その金額を社会の基準として相手方への請求も行いやすくなります。
また東京家庭裁判所で開催している養育費算定表では、使い方の中で手順や年収の求め方なども書かれていますので、調停や裁判を利用せずに話し合いだけで養育費を決める夫婦の間でも比較的簡単に自分たちの条件に当てはめられると言えそうです。
養育費の算定に必要となる事情とは?
この算定表を使って養育費の計算をする場合、養育費の支払いをする側の年収、親権を持つ側の年収、子供の人数、子供の年齢という4つの事情が必要となります。
例えば、親権を持つシングルマザーの年収が低ければ低いほど、養育費の金額はアップする傾向があります。
これに対して養育費を支払う側については、年収が高ければ高いほど、金銭的に余力があるだろうという考えから支払い金額についても高まりやすい実態があるのです。
こうした形で算定表を使う際にもさまざまな事情や要素の必要となる養育費の請求をする際には、パートナーの収入を含めて幅広い情報収集や準備が欠かせないと言えるでしょう。
養育費算定表はどのように見るのでしょうか?
養育費算定表は、子供の人数や年齢などの条件で9種類の表が用意されています。
裁判所のホームページなどに掲載されたこの表を開くと、権利者の年収や義務者の年収により大変細かい内容であることに気付かされます。
また実際に算定をする際には、表の中に線を引きながら金額を決定させるのが理想となりますので、相手方と一緒に裁判所の基準を確認するためにも離婚協議をスタートさせる、前に1部プリントアウトしておいた方が良さそうです。
養育費の相場における具体例
算定表を使って計算した養育費の相場は、子供の年齢、人数、離婚をするパパとママの年収によってその金額が大きく変わってきます。
ここでは皆さんに具体的な養育費のイメージをしていただくために、子供の人数ごとに実際に支払われた金額を参考までにご紹介しておきます。
子供が1人の時
例えば、2歳の子を持つ両親が離婚をする場合、今まで専業主婦だった妻と夫の年収が500万円だったケースでは、養育費は5万円前後が相場になります。
これに対して、5歳になった子供を保育園などに預けて妻が年収100万円ほどのパートやアルバイトを行い、夫の年収が450万円ほどだった場合も、養育費の金額は5万円前後になる実態があるようです。
子供が2人の時
夫の年収が500万円、専業主婦の妻の年収が0円の夫婦に3歳と5歳の子供がいた場合は、養育費の総額は9万円前後になるのが一般的です。
これに対して成長した子供が10歳と14歳になり、妻が正社員で300万円ほどの収入を得られている家庭で夫の年収が400万円だった場合は、養育費の金額は月々5万円前後まで下がってしまう実態があるようです。
養育費はいつまでもらえるのでしょうか?
養育費は基本的に、子供が成人する20歳までもらえます。
しかし子供が大学や専門学校に行かず、高卒で就職をした場合は、卒業後すぐに自立をしたという考えにより、20歳を待たずに養育費の支払いが終了できるケースもあると言えそうです。
逆に具体的な夢や目標のある子供が、6年間の通学が必要となる医学部や薬学部などの大学に入ったり、またその先の大学院に進学した場合は、卒業するまで養育費を払い続ける親も少なくない実態があるようです。
こうした形で子供の進路によって支払い期間の変わってくる養育費は、離婚協議の際に「ここまで」と明確な条件を決めるよりも、さまざまなパターンについて夫婦で話し合っておくのが理想と言えるでしょう。
適正な養育費を獲得するためにすべきこと
ここまで紹介したとおり、家庭によって異なる諸条件によって相場の変わる養育費については、適正な金額を相手方に請求するためにも下記のポイントを抑えた上で交渉へと進む必要があります。
1万円でも多く養育費をもらう意味を知る
養育費の計算や請求をする上で最も大切なのは、金額面で妥協をしないことです。
例えば、相手方の主張に負けて月々1万円安い養育費に設定した場合、1年で12万円、10年で120万円もの子育てに欠かせないお金が入ってこなくなってしまうのです。
また親権者の妥協によって金額が低くなれば、子供の夢が叶えられない可能性もたかまりますので、相手と話し合いをする前に養育費の重要性についてしっかり頭に入れておくようにしてください。
離婚公正証書を作る
養育費や財産分与、慰謝料といった内容を話し合いで決めたら、必ずその内容を離婚公正証書に残すようにしてください。
この形で書面を残しておくと、万が一相手が支払いから逃げた場合においても、より良い対応に進みやすくなります。
これに対して話し合った内容を一切記録に残していなかったり、法的効力のないメモ帳などに記載した場合は、何らかのトラブルが生じた時に言った・言わないの大きな問題につながることもあるため、注意をしてください。
弁護士に相談をする
養育費に関する計算や請求でわからない点がある場合は、自己完結せずに離婚問題に詳しい弁護士に相談をするのがいちばんです。
特に相手がDVやモラハラをする夫である場合は、養育費だけでなく財産分与や慰謝料に関する話もできずに泣き寝入りをする結果に繋がりやすい実態がありますので、注意が必要です。
こうした状況に陥った場合は、早めに法律の専門家である弁護士に相談をして、将来的にお金の部分で困らない対策を講じた方が良いと言えるでしょう。
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