• 2016.12.30

    不倫によって離婚をする場合の財産分与

    不倫によって離婚をする場合の財産分与

    不貞行為をされた側の財産分与への想い

    不倫や浮気といった「不貞行為を原因とする離婚」をする場合は、被害者となった多くの人が「パートナーに自分の財産を与えたくない」と考えるものです。特に不倫をした奥さんが専業主婦で、旦那さんだけの収入で生計を立てていた場合は、「1円も稼いでいない身で不倫をしていた」といった想いから自分の稼いだ財産を一切分け与えたくないという気持ちが生じることも納得できるといえます。では、パートナーの不貞行為によって離婚をすることになった夫婦の間でも、財産分与は必要となるのでしょうか?

    不貞行為による離婚でも財産分与は必要

    離婚における財産分与には、「婚姻中に築いた財産を清算する」という意味があります。自分だけの稼ぎで家族みんなを食べさせていた旦那さんからすれば、「浮気をした妻に財産を与える必要はない」と感じるかもしれません。しかし、不貞行為をした奥さんも家事や子育てを通して「家庭を守っていた」と考えると、夫婦の財産の全てが2人で一緒に築いたものと判断されるのです。こういった考え方に基づいて行なわれる財産分与は、「不倫や浮気が原因だから相手に与えない」といったことは法律上できません。

    財産分与の対象は共有財産だけではない

    ここで問題になるのは、財産分与の内容となるのは、夫婦が一緒に築いた貯金や家、車といった共有財産だけではないことです。財産分与には、慰謝料的要素と扶養的要素といった内容も含まれるのです。例えば前述の例で不倫をした専業主婦の奥さんに数百万円の慰謝料請求が行われた場合は、本来分け合うべき共有財産から慰謝料分が差し引かれる形となります。また逆に小さな子どもを抱えた奥さんが離婚後の社会復帰ができず、生計を立てられないといった場合は、扶養的要素が含まれることで財産分与の金額や割合が高まることもあるのです。

    慰謝料清算が終わったら離婚契約書に記載しましょう

    財産分与とも密接な関係のある離婚時の慰謝料は、「不倫や浮気などの不貞行為の事実を知った日から3年間」に限って請求が可能となります。財産分与の中で清算が終わった場合は、後々の再請求によるトラブルを生じさせないためにも、必ず清算条項を離婚契約書に記載するようにしてください。またパートナーの不貞行為によって財産分与の割合などがなかなか決まらない場合は、離婚問題に詳しい弁護士に客観的な意見を仰いでも良いでしょう。

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